13‗星空から花火鑑賞まで 夏の夜空を満喫するためのアイデア
もうすぐ夏がやって来ます。夏と言えば、海やプール、キャンプといった太陽の下でのアクティビティが思い浮かびますが、夏は夜にも楽しさ満載です。
気温が少し下がり過ごしやすくなる夜、空を見上げて星空や花火、伝統行事など、夏の夜を楽しみませんか?今回は、夏の夜を最大限に楽しむためのアイデアをいくつかご紹介します。
■夏の夜空に輝く星たち
●夏の星座の見つけ方
夜空を見上げると「夏の大三角」や「さそり座」「いて座」など、たくさんの星や星座を見つけることができます。まずは「夏の大三角」を目印に星座を探してみましょう。

・夏の大三角とは?
‐ベガ(わし座):
明るい星たちの中でもひときわ明るく見え、見つけやすい星です。七夕では「織姫星」とされる星です。
‐アルタイル(こと座):
七夕の「彦星」とされる星です。ベガとは天の川を挟んで位置する明るい星です。
‐デネブ(はくちょう座):
天の川の真ん中に位置します。ベガ、アルタイルと比較するとやや明るさが穏やかです。
この明るい3つの星を結んで「夏の大三角」と呼びます。夏の夜空の中心に位置し、ほぼ天頂付近に輝いて見えます。都会でも比較的見つけやすい星たちです。
・夏の大三角を基準に星座を探す
夏の大三角を見つけたら、その周囲にさそり座やいて座が広がっています。次に南の空の低い位置に赤く光る星を見つけてみましょう。赤い星はさそり座のアンタレスで、サソリの心臓の位置に輝いています。いて座はその東側で弓を引いた射手の形を象っていますが、ティーポットのような形のようにも見えます。
しし座は春の星座に分類されますが、地域や時間帯によっては夏の初めにも西の空に姿を見せることがあります。特に黄昏時や夜の早い時間帯に観察するのがおすすめです。
●星座と神話
星座と神話は繋がりが深く、星座の多くが古代の神話に登場する神々や英雄、動物などに由来しています。特に西洋の星座はギリシャ神話との結びつきが強く、古代の人が夜空に描いた物語として語り継がれてきました。
・さそり座 狩人オリオンと女神の使者サソリ
かつて「地上のすべての獣を狩れる」と豪語した狩人オリオンは、その傲慢さによって神々の怒りを買ってしまいました。オリオンを戒めるため、女神が遣わしたのが巨大なサソリです。戦いの末、オリオンはサソリに刺され命を落としました。その後、星座になったオリオンはサソリを恐れ、さそり座は夏の空、オリオン座は冬の空、決して同じ空には現れないという神話が残されています。
・いて座 知恵深き賢者ケイローン
弓を構えるケンタウロスの姿を象った「いて座」は、上半身が人、下半身が馬というケンタウロス族の賢者ケイローンに由来すると言われています。ケイローンは医学・天文学・音楽などあらゆる学問に通じ、多くの英雄たちの師としても知られています。ある時、誤って毒矢を受けてしまったケイローンは、不死の命を放棄し、自ら星座となることを選びました。
いて座はさそり座に向けて弓を引いています。巨大サソリが天空で暴れたときにすぐに射られるよう、常に弓を構えた姿をしているのだと言われています。
・しし座 英雄ヘラクレスと怪物ネメアの獅子
ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスが倒した怪物「ネメアの獅子」が由来となっています。この人食い獅子はどんな武器も通じない鋼のように硬い皮膚を持ち、人々を恐怖に陥れていました。ヘラクレスと獅子は戦い、ヘラクレスは勝利しました。獅子の鋼のような皮を鎧として身にまとったヘラクレスは、償いの試練の旅を続けます。退治された獅子は強さと勇敢さを称えられ、しし座になったと言われています。

●星座観賞のコツ
夏の星座の見つけ方や星座にまつわる神話を知ったところで、実際に夜空を見上げて、星座観察をしてみませんか?
湿度の高い夏ですが、空気が澄んだ夜や山間部などでは、多くの星を見ることができます。屋外で過ごしやすい夏の夜は星座観賞にぴったりです。星座観賞をもっと楽しむためのコツをご紹介します。
・あると便利なアイテム
‐敷物やチェア
レジャーシートやリクライニングベッドがあると寝転がることができ、パノラマで星空を楽しめます。
‐上着
防寒や虫よけのため、夏でも羽織れる上着を用意するのがおすすめです。
‐虫よけグッズ
虫よけスプレーや、刺されてしまった場合に備えてかゆみ止めの薬などもあると安心です。

‐コンパスや星図
方角を確認するためのコンパスや、星座を知ることができる星図があると観察がより楽しくなります。コンパスや星図はスマホやタブレットのアプリもあるため、気軽に用意することができます。ただ、星座観賞を行う場所によっては電波が届かない可能性もあるため、状況によっては注意が必要です。

・場所と時間
‐場所
星座観賞には周囲の明かりが少ない場所が最適です。郊外であればキャンプ場や海辺、都市部では街頭が少ない建物の屋上や公園などが適しています。
‐時間
完全に日が沈んで、周囲の明かりも少ない深夜の時間帯が適しています。また、月明かりも夜空を照らす光となるため、月が見えない新月の夜も星座観賞にはおすすめです。
準備はできましたか?それでは、夜空を見上げて、夏の星空観賞を始めましょう!
■夏の夜空にまつわる行事や風習
●七夕
日本の夏の夜空にまつわる行事といえば「七夕」です。織姫と彦星が年に一度の七月七日に、天の川を渡って会うことができる特別な夜です。
「七夕」は元々、乞巧奠(きこうでん)という中国の行事で、機織りや裁縫の上達を祈る風習から始まりました。日本では奈良時代に伝わり、平安時代には宮中行事として七夕の行事が行われるようになりました。

現在の七夕行事は、家族や友人と一緒に短冊に願いを込めて笹に吊るし、飾り付けをして楽しむことが多いかと思います。各地では「七夕祭り」も開催され、色とりどりの飾り付けやパレードが行われています。
宮城県の「仙台七夕祭り」ではアーケード街に豪華絢爛な七夕飾りが連なり、周辺の地域商店街も昔ながらの笹飾りで彩られ、例年多くの人で賑わいます。
また、流星群の観賞会や天文学者による講演会なども各地で開催されており、星の知識を深めるとともに、夜空に広がる神秘的な景色を楽しむことができます。
●ミッドサマー
日本だけでなく、世界中には夏のお祭りがいくつもあります。
そのひとつにスウェーデンで夏至の日に開催される「ミッドサマー」というお祭りがあります。
太陽が最も高く、昼の時間が長くなる日(夏至)に、北欧の厳しい冬を超えて夏の到来を祝います。家族や友人と集まり、花冠を作ったり、皆で食事やダンスをしたりと楽しいひと時を過ごします。この日を境に夏の夜が長くなるため、星空を楽しむ人々が多くなります。

●中元節
中国や台湾では、夏の夜に行われる伝統的な行事として「中元節」があります。
日が暮れるころ、街には先祖を迎えるための灯りがともされます。
中元節(ちゅうげんせつ)は中国や台湾で古くから行われている伝統的な行事で、霊魂がこの世に戻ってくる日とされています。先祖の霊を迎えるため、紙でできたお金(紙銭)を燃やしたり、食べ物を供えたりするのが一般的です。夜になると、霊が迷わないように線香を焚いて道しるべとし、提灯や灯篭が灯されます。その灯りに照らされた街は、幻想的な雰囲気に包まれます。
■夏の夜空を彩る花火
●花火の起源
花火と言えば、夏の夜空に咲く美しい大輪の花を思い浮かべますよね。
でも、その美しさや迫力の背後には、長い歴史とさまざまな技術が息づいていることを皆さんはご存知ですか?花火の起源を辿ると、実は何千年も前の古代中国に行き着きます。
花火の始まりは、中国の秦の始皇帝の時代(紀元前221年〜前210年)に遡ります。最初は、遠くの人に煙を使って情報を伝える「のろし」という方法が使われていました。それが、後に発明された火薬によって、爆発音や煙が出るものとなり、花火の原型が作られるようになりました。
唐の時代(618〜907年)になると、火薬を使ったさまざまな演出が始まり、花火は単なる信号や戦争の道具から、次第に「見る楽しみ」を提供するものへと進化していったと言われています。
本格的に「花火」として鑑賞されるようになったのは、14世紀のイタリアで、キリスト教のお祭りに火花や音を出す仕掛け花火が登場したことがきっかけです。これが世界中に広まり、花火は次第に色や形を変え、進化を続けていきました。

●日本での花火の歴史
日本に火薬が伝わったのは、蒙古軍が攻めてきた文永11年(1274年)ごろ。そこから花火の原型が伝わり、江戸時代に入ると、花火は庶民の楽しみとして定着し始めました。

花火が本格的に「観賞用の打ち上げ花火」として姿を現したのは、江戸時代の享保18年(1733年)。その年、隅田川で行われた水神祭で初めて打ち上げ花火が行われたことが、花火の始まりとされています。水神祭では、当時江戸で流行していた飢饉や疫病による死者を慰霊し、悪疫退散を祈るための祭りでした。中国でも、悪霊を追い払うために火薬を使って音を立てることが多く、水神祭の背景には、こうした中国の火薬を使った儀式や祭りの影響が色濃く反映されているのです。
この花火は、江戸の庶民に大変好まれ、その後も「玉屋」や「鍵屋」などの花火師たちが競うように豪華な花火を打ち上げるようになり、こうして、花火は夏の風物詩として定着していきました。
●花火の色と形
さて、花火を楽しむ上で外せないのが花火の鮮やかな色です。何故あんなに美しい色が空に広がるのでしょうか?
その秘密は「金属塩」にあります。赤色の花火にはリチウムやストロンチウム、青色には銅、緑色にはバリウムが使われており、金属が燃えることで特定の色の光を放ちます。この化学反応によって、私たちの目に届く美しい色合いが生まれているのです。
花火の色だけでなく、形にも工夫が凝らされています。例えば、「菊花火」や「牡丹花火」といった花火が典型的な形で知られており、これらは花火玉の中にある火薬が爆発するときに、「星」と呼ばれる花火玉の中の火や煙を出しながら燃える火薬の粒が放射状に広がったり、点として広がったりすることによって、空に美しい模様を描きます。

●花火の種類

花火玉には大きく分けて「割物(わりもの)」と「ポカ物」という2つのタイプがあります。
・割物(わりもの)
「割物」とは、花火玉が破裂し、星が放射状に飛び散るものです。これは花火大会でよく見られる、丸い花火のことで、例えば、「菊(きく)」は、尾を引きながら放射状に広がり、まるで菊の花のように見えることから「菊花火」と呼ばれています。星が点になって広がる「牡丹(ぼたん)」もあり、こちらは光が鮮やかに広がるのが特徴です。さらに、「冠(かむろ)」は、星が長時間燃えて独特の形を作り、地面近くで消えるというものです。
また、「型物(かたもの)」という花火もあります。これは、ハートやスマイルマーク、蝶、土星など、さまざまな形を描くことができる花火です。技術の進歩によって、文字や立体的な形も表現できるようになり、バリエーションが広がっています。

・ポカ物
一方、「ポカ物」は花火玉が空でポカッと割れ、星が破裂しながら落ちていくタイプの花火です。このランダムな動きが美しく、特に昼間に上がることが多いです。昼間でも花火が楽しめるように、音や煙を使って演出されています。
その代表例が「柳(やなぎ)」で、花火玉が割れた後、柳の枝のように光が垂れ下がるのが特徴で、その姿から「柳」と名付けられました。また、「蜂(はち)」というポカ物は玉が開く時に、火薬を詰めた紙の筒がシュルシュルと回転しながら不規則に動く花火として有名です。
星座観賞や花火鑑賞時など、夏の夜を屋外で楽しむ際には、快適なアイテムがあると過ごしやすさがぐっとアップします。
▶ゆったりくつろげる:リクライニングチェア / 飲み物やおつまみを置ける:ガーデンテーブル&チェア、セレクトテーブル
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▶暑さ対策に:スポットクーラー / 飲み物や食べ物を冷たく保管できる:クーラーボックスやドブヅケ
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